『虚構の勇者』 三浦良 (富士見ファンタジア)

ファンタジー。『逆襲の魔王』の続編。まさか続きが出るなんて露程にも思ってなかったので思わず手に取ってしまった。この作品何が面白いかというと設定が非常に面白い。『逆襲の魔王』のプロローグでもあるが、簡単に言えば
①異能故に人間に迫害された少女(主人公)が勇者に祭り上げられ、魔王に挑む
②魔王を瞬殺(殺してはいない)、魔王にジョブチェンジ
③魔王として人間に対し侵攻、人魔統一国家の建国。皇帝に。
と勇者にして魔王でもある統一皇帝、と斬新な*1設定である。
が、これは前巻のプロローグであり別にこれらの快進撃が全部描かれてるわけではないのが注意するところか(勇者vs魔王は描かれている)。更に言えばこの主人公は自他ともに認める謀略家なので派手な闘いも少ない。元魔王は武闘派なので期待できなくもないが。なので物語の中心は策略とか計略が主なので華麗な逆転劇とかは心奮えますが、どちらかといえば地味め。
そんな設定の物語がどんなところに向かうのかが気になるので次巻もおそらく買うでしょう。これで終わったら二巻出した意味無いだろうしなあ。
ところであらすじにはラブ・ストーリーとか書いてありますがそんな要素は欠片くらいしかありません。サラの心中は桃色ですがいかんせん表に出す気配もなければ当の相手は敵愾心はあれど情愛を望むのは夢のまた夢のまた夢くらいですから……。

*1:少なくとも私にとっては